システム係に何を頼めるのか——依頼内容と費用の実例
「社内にIT担当者がいない」。そこまでは分かっている。けれど、いざ外に頼もうとすると手が止まる。何を、どこまで、いくらで頼めるのかが分からないからです。
ホームページには「DX支援」「IT運用最適化」と書いてある。でも自分が困っているのは、プリンタが繋がらないことだったり、毎月Excelに同じ数字を打ち込んでいることだったりする。それを頼んでいいのか、そんな細かいことで見積もりを取っていいのか、判断がつかない。
この記事では、実際に依頼される仕事を4つに整理します。費用の考え方と、依頼前に用意しておくと話が早いものも書きます。
頼めることは、だいたい4つに分かれる
1. 困りごとの受け皿
「パソコンが起動しない」「共有フォルダに入れない」「メールが届かない」。その都度発生して、その都度誰かの手を止めるものです。
社内に担当者がいる会社では、この対応が業務時間の大半を食います。いない会社では、詳しい人が本業の合間に対応している。どちらも本人の時間が削られている点は同じです。
外に受け皿を作ると、「聞く先がある」こと自体が効きます。調べる時間、ベンダーに電話して待つ時間、判断に迷う時間がなくなります。
2. 手作業を減らす
毎月同じファイルを開いて、同じ場所に同じ数字を入れて、同じ形式で出す。手順が決まっているのに人がやっている作業です。
Excelのマクロで済むこともあれば、フォーム化してデータを直接受け取る形にしたほうが早いこともあります。バーコードを読むだけにしてしまうこともあります。何を使うかより、どこを削るかを先に決める仕事です。
減るのは時間だけではありません。手で打つのをやめると、打ち間違いも消えます。
3. データを見えるようにする
売上、在庫、勤怠、原価。数字はあるのに、見たい形になっていない状態です。
システムごとにバラバラで、Excelに落として手で結合していて、月次会議の前日に誰かが徹夜している。ありがちな形です。
これは集める・つなぐ・見せるの3段階に分かれます。全部いっぺんにやる必要はなく、まず1つの指標だけ自動で出すところから始められます。
4. 作る・動かし続ける
社内で使うシステムそのものを作る仕事です。既存システムの改修や、他社に作ってもらったものの引き継ぎも含みます。
ここで大事なのは「作って終わり」にしないことです。作ったあとに誰も直せない状態は、作る前より悪いことがあります。運用と保守までを同じ相手が持つと、その事故を防げます。
「こんなことも頼めるのか」の実例
依頼として実際に成立するものを、粒度の小さい順に挙げます。
| 依頼の例 | 分類 |
|---|---|
| 新しいパソコンの初期設定と、旧機からのデータ移行 | 受け皿 |
| ベンダーから来た見積もりの内容が妥当か見てほしい | 受け皿 |
| 退職者のアカウントを止める手順を作ってほしい | 受け皿 |
| 毎月の請求書作成をExcelマクロで自動にしたい | 手作業を減らす |
| 紙で回している申請をフォームにしたい | 手作業を減らす |
| 複数店舗の売上を1枚のグラフで見たい | 見えるように |
| 在庫データを毎朝自動で集計して共有したい | 見えるように |
| 既存の社内システムに機能を1つ足したい | 作る・動かす |
| 前任者が作ったツールが動かなくなった | 作る・動かす |
「これは小さすぎるかも」と思う依頼ほど、実は効果が出やすい傾向があります。毎日発生する作業は、1回5分でも年間で20時間を超えます。
費用の考え方
依頼の形は大きく2つ、それに開発が加わって3つです。
月額で相談先を持つ
毎月いくらを決めて、その範囲で相談と作業を引き受ける形です。「これは頼んでいいのか」を毎回考えなくて済むのが最大の利点です。
システム係の場合は月3万円から始められます。時間の上限と返信の速さでプランが分かれ、月2時間・月6時間・月12時間の3段階です。ライトは使わなかった分を翌月に繰り越せます。
1ヶ月単位の契約で、1ヶ月前に言えばいつでも解約できます。
都度で頼む
「今回はこれだけ」とはっきりしている場合は、その案件ごとに見積もる形です。自動化1本、ダッシュボード1枚、といった単位です。
月額と都度は排他ではありません。月額で相談先を持ちつつ、大きめの開発だけ別途、という組み方が実務では一番多いです。
開発を依頼する
新規に作る場合は準委任か請負のどちらかです。要件がはっきりしていれば請負、決めながら進めるなら準委任が合います。
いずれの形でも、運用まで持つかどうかを最初に決めておくことをおすすめします。ここを曖昧にしたまま作ると、納品後に誰も触れない資産が1つ増えます。
よくある不安に、先に答えます
「うちの規模では相手にされないのでは」
規模で断ることはありません。むしろ社内にIT担当者がいない会社が想定読者です。開発会社に「規模が小さい」と断られた経験がある方もいると思いますが、それは相手の体制の問題であって、依頼内容の問題ではありません。
「何から話せばいいか分からない」
困っていることを箇条書きで並べるだけで十分です。解決策を考えてくるのは受ける側の仕事です。「何が問題かも整理できていない」状態からの相談も、そのまま受けています。
「見せられない情報がある」
構いません。実データを見なくても、形式と件数と流れが分かれば設計はできます。必要になった段階で秘密保持契約を結びます。
「今の業者を切り替える話ではない」
既存ベンダーとの間に入る形もあります。技術的な内容を翻訳して伝える、見積もりの妥当性を見る、といった関わり方です。
依頼前に用意しておくと早いもの
完璧に揃える必要はありません。あるものだけで構いません。
- 困っていることの箇条書き(順不同・重複可)
- その作業に月どれくらい時間がかかっているかの体感値
- 今使っているソフト・サービスの名前
- 誰がその作業をしているか
時間の体感値は特に効きます。「月20時間くらい」が分かれば、そこにいくらまでかけていいかが決まり、優先順位が自動的に決まります。
社内にIT担当者がいなくて、何から手をつけるか迷っている段階でも構いません。困っていることを箇条書きで送っていただければ、整理するところからお手伝いします。初回の相談は無料です。
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